社長の役員貸付金(仮払金)を精算する方法

中小企業では、法人から社長に、金銭を貸し付ける「役員貸付金」を計上しているケースが多々あります。
最も多い理由としては、一時的な役員報酬の代わりとしたためでしょう。
顧問税理士や、銀行マンは、この役員貸付金に対して、何も言うことはありません。
しかし、御社の評価は、下がったままなのです。

そこで今回は、「役員貸付金」を解消する方法についてご紹介します。

方法は大きく5つあります。

役員報酬から返済する

 役員報酬から、返済する方法です。
その場合は当然、役員報酬の税引き後の、手取りからになります。
それが嫌だからといって、今度は役員報酬を増額すれば、税と社会保険料の負担が増加するので、悩ましいところですね。

踏み倒す

 言い方は悪いですが、踏み倒す=貸し倒れとして、計上する方法です。
役員貸付金も、額が大きくなると、なかなか返済することができません。
 そこで、貸し倒れということで、会社が債権放棄する手続きを取るわけです。
しかし、この方法では社長個人に、ガッツリ課税されてしまいます。
会社が債権放棄した「役員貸付金」は、税務上、役員賞与と見なされるからです。
 さらに、計上した貸し倒れ損失は、損金不算入のため法人の課税対象にもなります。

社長個人の資産を売却する

 社長個人の資産を会社に売却し、役員貸付金と相殺する方法です。
ただし、資産の売却によって、社長個人には譲渡所得税がかかります。
なお、不動産を売却した場合は、会社には、不動産取得税等の諸費用も発生するので、気をつけないといけません。

社長個人が借金をして返済

 社長個人が、金融機関等から借入を行って「役員貸付金」を精算します。
そうなると当然、社長個人の負債が増えます。
通常は、会社のための融資などの理由以外は、たいていの経営者は、個人の借金を増やしたくはないですね。

退職金で相殺する

 一番、現実的な方法になります。
役員退職金で「役員貸付金」を相殺するわけです。
もちろん相殺と言っても、実際には、社長個人に支払われる退職金ですから、退職所得として課税対象にはなります。
 しかし、退職所得には他の所得にない税制上の恩典があるため、もっとも低コストで借金を帳消しできる方法です。
この方法では次の2つの選択肢があります。
いずれも生命保険をからめることで、さらに低コストで借金を帳消しにできます。
他の方法と違って、生命保険なら課税を繰り延べながら、最後に退職所得の優遇税制を活用して、役員貸付金を相殺できるからです。

(1)勇退時の退職金で解消する

(2)死亡時の退職金で解消する

もし役員貸付金の解消でお困りなら、ご相談くださいませ。
御社と社長の手元キャッシュを最大化できる方法をお伝えさせて頂きますね!

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