「規程」を作って社長の手取りを最大化する方法

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規定を作って社長の手取りを増やす方法

「出張旅費規程」を作ることで、社長の手取りを増やすことができます。
出張旅費規程とは、会社の出張旅費の取り扱いを明文化したルールです。
 多くの中小企業は旅費規程を作っておらず、旅費に関して、実費精算しています。出張に対して、実費以上の「日当」を払う発想がないからです。ところが、旅費規程を作ることは、会社と社長に多くの経済メリットをもたらすのです。

目次

「会社」にとっての経済メリットとは?

旅費規程を作成することで、出張の都度、「旅費」を支払うことが可能になります。
ここでいう「旅費」とは、

  • 交通費
  • 宿泊費
  • 出張手当

のことをいいます。
【会社】にとって、「旅費」は、経費になります。
「旅費」は、実費精算を求められませんので、超過分だけ節税につながります。また、「旅費」は、消費税の課税仕入れの対象になりますので、消費税の節税にもつながります。

所得税法(非課税所得) 第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。 四 給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの

 例えば、年間50日出張をする社長がいたとして、旅費規程上の出張日当が1日2万円だとしましょう。
すると、50日×2万円=「100万円」が、「旅費」になります。この「100万円」は会社の経費です。その分だけ、課税所得を圧縮して、法人税額の軽減につながります。そのうえ、消費税課税事業者は、「100万円×10%=10万円」の消費税の節税にもつながるわけです。

社長個人にとっての経済メリットとは?

一方、【社長個人】にとっては、「旅費」という臨時収入を、非課税で受け取ることができます。
さらに、「旅費」には、社会保険料もかかりません。つまり、ここで受け取った「旅費」は、そのまま社長の手取り増加につながるわけです。例えば、100万円」のケースです。この「100万円」には「税金」も、「社会保険」の負担もありません。
さらに、次のような規程にすれば、「旅費」に関しては、実費精算を求められませんので、実費との「差額」をポケットマネーとすることも可能です。

◎ 日帰り出張の日当

区分日当
40km~100km未満100km以上
社長7,000円9,000円
役員5,000円7,000円
役職員3,000円5,000円
一般社員・その他1,500円3,500円

◎ 宿泊出張の日当

区分日当
社長11,000円
役員9,000円
役職員7,000円
一般社員・その他5,000円

交通費

区分交通費
社長・役員グリーン車相当の運賃の実費
役職員・その他普通運賃の実費

◎ 宿泊費

区分宿泊費
社長14,000円
役員12,000円
役職員10,000円
その他8,000円

非課税とされる旅費の範囲とは?

ただし、何事もやり過ぎは禁物です。
日帰り出張の手当で1回2~3万円、宿泊出張の手当で1回4~5万円も支給していては、税務署として、黙認できないでしょう。だったら、いくらまでなら許容範囲なのかというと、これがまた微妙なのです。というのも、所得税基本通達では「非課税とされる旅費の範囲」について、以下のように通達しているだけだからです。

非課税とされる旅費の範囲(所得税基本通達9-3) 所得税法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、同号に規定する旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。 (1)その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人のすべてを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。 (2)その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

つまし、具体的な金額については明記していないのです。ではどう解釈すればいいのでしょう?

  • 社内において適正なバランスで運用されているか?(特定個人を優遇する内容はNG)
  • 同業他社に比べて著しく高額ではないか?(やり過ぎはNG)

ということなんです。
旅費規程を導入する際は、上記のこの2点に配慮して作成してくださいね。

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